自費出版の中でもっとも多くの人が利用しているのが、出版社系の自費出版サービスかもしれません。
このサービスには、大手出版社が自費出版を扱う窓口を持っているものや、独立したブランドを設けているところ、そして、個人向けの出版を専門に扱うところ、その中間に位置するところとさまざまです。そして、出版社系サービスの大きな魅力のひとつに書店流通させるサービスがあったりする点ではないでしょうか?
 一般に書店に流通させるには、取次会社という卸会社を通さなくてはなりません。このルートに個人の出版物をのせるには、やはり版元と取次会社との取引があることが必要です。
自分の本の制作のみを目的としたときは、その他の系列で制作した方が費用面で安く上がったりしますが、広く世間に流通させるとなるとこれは難しいです。出版社系の自費出版サービスはお金に余裕があるなら、是非試してみたいですね。

自分の本が書店に並ぶってとても魅力的です。

ただし、そうやって作られた書籍が、平積みで並ぶことは、まずありえませんし、全国一律に流通する事もないと思います(相当の部数を作れば別ですが…)。だから、書店に並んだからって、ほとんど売れることはないという気持ちでいてください。

そうはいっても、自分の本が一般の商業出版物に並んでいるところ、記念撮影するのはいいですね。

多くの新聞社も、個人向けの本の制作を受け付けています。出版社に比べて、新聞社は各地方にもありますから、問い合わせてみるといいかも知れません。

新聞社だから、書籍作成が苦手なのでは? 書籍を作ることは出来ないのでは? と考えがちですが、そんなことは、ありません。ほとんどの新聞社は自前の出版部を持っていたりし、現在では、新聞社も出版社と変わらぬ機能を新聞社も持っています。

大手新聞社も当然受け付けています。地方新聞社も受け付けていますし、もしかするとタウン誌レベルの新聞社でも相談にはのってくれると思います。

身近に新聞社がある場合は、新聞社で自分の本の制作をするのもいいかもしれません。

編集プロダクションでも個人の本を作ってくれるかもしれません。編集プロダクションとは、版元から仕事をうけて、例えば雑誌をまるまるプロデュースしていたりするのです。版元からは、名ばかりの編集長がいるのみで、あとは編集プロダクションのスタッフで運営していたりします。

一般の書籍の場合は、もっと極端な例があります。編集プロダクションといってもスタッフは、たったひとりで、たったひとりで編集を行い、版元が大手の名前というだけであったりです。なにしろ、編集プロダクションのスタッフとは、大手の版元には所属していませんが、本づくりのプロフェッショナルな人たちです。ですので、個人の本だからといってやらないということはないと思います。…でも、全く編集プロダクションに知り合いがない、そんな場合は、難しいかもしれません。

印刷会社に本の制作を依頼する方法は、実はもっとも手軽で身近なものかもしれません。町を探索してみてください。結構、小さな印刷会社ってたくさんあります。特に地方の場合、大手版元や新聞社は遠い場所にしかない、ということになると、印刷会社はたいてい近くにあるので便利なものです。

印刷会社に頼むときのメリット、デメリットをあげますと、まず、メリットは「安い」ということに尽きます。私も何冊か自費出版してみたことがありますが、コスト面を重視した結果でした。一方デメリットですが、やはり出版社というブランドがない。自分の本に例えば、「○○書店」「○○社」のような大手ブランドのロゴマークがついて、ISBNコードが付くのと付かないのでは、ちょっと重みが違うかもしれません。また、編集やデザインも出版社に比べると劣るかもしれません(もっとも最近では編集もやってくれる印刷会社は多くなってますが…)。

私はとにかく、印刷会社に頼みました。理由は安かったから。何冊か作った「自分の本」には、それぞれ目的があって書籍としてまとめたのですが、その際出版社に頼む場合のメリットに必要性を感じなかったからです。はじめて出した本は、祖父の遺稿でした。編集は自分たちで行い、そのかわりかなり装丁にこだわって丸背の上製本にしました。目的は、祖父の一周忌に集まった弔問客に配るためでした。100部作って50万円くらいだったと思います。書店に流通させる必要はありませんでしたが、豪華な本を作りたかったのです。印刷会社さんとは、装丁の細かなことを沢山打ち合わせました。

後悔しないためには、その「自分の本」の目的をしっかり持つことが大事だと思います。

 

はじめての自費出版メニュ ー一覧

自費出版とは
| 定義 | 歴史 | 種類 | 後悔しないために | 国会図書館へ納本しよう | 作った本は売れる? | 著者になろう!  
普通の出版との違い
| 商業出版(企画出版)と自費出版の違い | 協力出版とは?  
ジャンル選び:何を出す?
| 漫画、コミック | 自費出版で自分史を残す | 小説、同人誌を書く | 自費出版で写真集を作る | 自費出版で絵本を作る  
原稿の書き方
| 自分史の書き方 | 写真集の作り方  
どこで作る?どこに注文する?
| やっぱり出版社に依頼する | 新聞社に依頼する | 編集プロダクション | 印刷会社系に頼む  
用語集@本のしくみ
| 著作権 | 束見本 | 共紙 | 並製本 | 箔押し | ビニール貼り | ビニール引き | 表紙 | ブックデザイン | 文庫本  
用語集A本の中身
|  | 凡例 | 本文 | 前付け | マージン | 見返し | 見出し | 見開き | 余白 | ルビ  
用語集B版下・印刷用語
| 再校 | 重刷 | 重版 | 出張校正 | 初校 | 特色 | 納本 | 面付け | 落丁 | 乱丁  
用語集C記号・文字
| アポストロフィ | イタリック | イニシャル | 飾り罫線 | 括弧 | 作字 | 書体 | 長体 | フォント  
ドキュメント:実際に作ってみました
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